TOEFL or IELTS
TOEFLでもIELTSでもどちらでの大丈夫ですが、日本生まれ日本育ちでお仕事も国内中心の方にとっては最も時間を要するパートです。
英語力を測るテストが高得点 = 合格 となるMBAトップスクールはおそらくありません。例えるなら、日本語能力試験で高得点を獲得できたとしても、大学入学共通テストにおいて難関大合格ラインの得点を獲得できるかどうかは別問題です。
その意味でTOEFL/IELTSはMBA合格の必要条件であり、MBAのディスカッション形式のケースメソッドに貢献できるだけの英語力を持っているか以前に、「大学院に入学する程度の英語力があるか」を最低限確認する程度です。
2. IELTS
難し過ぎて心が折れそうになるのがTOEFL/IELTSです。
MBAトップスクールは英語圏だけでなく、フランス・スペインの学校も英語が公用語です。2024年時点で一部不要なスクールが英語圏のアメリカにもありますが、多くの場合には以下のハイスコアが最低条件です。
TOEFL:Min 100 ~ 110
IELTS:Min 7.0 ~ 7.5
TOEFL100/IELTS7.0は日本の英語教育が到達点として想定していないレベルで、TOEFL110/IELTS7.5は日本基準に照らせば別次元の英語力です。
TOEFL
1. とんでもなく難しいTOEFL iBT
中高生から大学学部、そして大学院留学までカバーするTOEFL iBTはものすごく難しいです。日本人も含め、英語が母国語でない方向けの英語力を測るテストです。イギリスやアメリカ、オーストラリアの大学を卒業している(=授業が英語)場合は英語が母国語でなくともTOEFLは免除されることが多いです。
2. TOEFL iBTは4技能
言語の4技能「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」をバランスよく測定できるテストです。 4技能が全部難しいです。簡単なセクション、問題はありません。後述のIntegrated問題は別次元の難しさで、もしも対策なしで受験したら何もできずに終わってしまうかもしれません。強いていえば、リーディングは満点か29を狙えるセクションです。
3. 120満点 with RLSW各30
大学院留学:100↑
満点120で半分60も相当な難易度ですが、MBAを目指すのであれば100が最低ラインです。100未満ですと出願できないMBAもありますし、基準ラインが105に設定されていることもあります。「大学院進学は学部で優秀な成績を残した学生が進学する専門課程」という位置付けですので
MBA合格に必要な英語力
↓
英語圏の大学で優秀な成績を残した学生と対等にディスカッションできる
↓
TOEFL 100は必要条件?
R29 L28 S20 W25 = 102
あたりがゴールの目安でここから105/110にどのセクションを何点伸ばすか、が勝負所です。
4. リスニング & Integrated問題がヤバい
リーディングはまだマシで日本の大学受験を英語科目や英検を受験していればなんとかなる方も少なくないと思いますが、TOEFL iBTはリスニング重視です。端的に言えば、リスニングが十分条件ではなく必要条件となっている試験です。
リスニングがリスニングセクションだけではなくスピーキング & ライティングのIntegrated問題において求められます。パソコンのキャッシュメモリのように聴いた内容を話す&書くのアウトプットに活用する問題です。めちゃめちゃ難しいのでスピーキング & ライティングがなかなかスコアがあがりません
5. TOEFLは必須ではない!?
2024年時点において、TOEFL/IELTSが課されないMBAが複数あります。
・Columbia
・Yale SOM
・MIT Sloan
・Duke Fuqua
の4つは英語試験が不要です。
しかも、コロンビアCBSとDuke Fuquaには「Early Round 」つまり、合格したら入学を確約(単願受験のような第一希望の出願)があるので、これら2つの学校が第一志望か第二志望であれば、かつお仕事などMBA出願準備に時間制約がある方にとってTOEFLよりGMATを優先するのが戦略の1つです
6. TOEFLセクション
Readingは長文読解です。自然科学、 社会科学、人文科学の幅広い分野から出題されますので語彙力のハードルが高いです。TOEFL100を狙うのであれば満点30 or 29を獲得したいセクションです。
Listeningは大学の授業とキャンパス内の対話形式の2パターンです。授業形式も対話形式も想像以上に長いです。英語の説明や話を記憶したり理解する限度量(長さや複雑さ)を超えてますのでトレーニングでその限度量を拡げていくしかありません。話すスピードが自然な英会話のスピードであることも高難易度の一因です。
Speakingは激ムズです。Integrated問題が「読んで + 聞いて + 話す」という言語の真っ当な問題が難しいの範疇を超えています。TOEFL全体の統計値からするとRLSWの難易度差はそこまでありません。しかしながら、日本人受験者はSpeakingスコアが伸びない傾向にあるのはSpeakingが足を引っ張ってます。
WritingもIntegrated問題が「読んで + 聞いて + 書く」という大学院のあたりまえの課題、これがハンパなく難しいです。自由にテーマを選んで書くわけではないので、S&WのIntegrated問題は「ReadingとListeningの語彙力や読解力」は前提条件です。
IELTS
1. シェア50%以上のIELTS!?
TOEFL iBTがあたりまえだったのは完全に過去の話です。例えるなら、MBA受験 = GMAT くらい古い常識です。GMAT or GREの選択肢が普及したのと同じく、TOEFL or IELTSはどちらでもスコアが出そうなテストで受験すれば済む話です。
2. RLSW各7.5 and/or Total 7.5
言語の4技能「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」をバランスよく測定できるテストです。 0.5刻みのスコアは7.0が及第点、できれば7.5を狙っていきたいです。イギリスのオックスフォード大などかなり厳しいスコア基準が設定されているスクールもあります。
TOEFLの1刻み、IELTSの0.5刻みは後者の方がレンジが広いです。
3. 紙ベース or PCベース
IELTSは紙ベースとPCベースを選べます。慣れた方で受験すれば良いと思いますが、試験会場にご注意ください。PCベースは東京・名古屋・大阪会場に限られるのに対し、紙ベース試験は主要都市で開催されています。TOEFL/IELTSは英語力の証明以外に対して意味はなく、その英語力もGMATや面接においても評価される項目ですので、あくまで通過点であり労力や時間をかけ過ぎない程度でクリアできるに越したことはありません。
IELTS7.5が狙い目の模様
2024年現在、TOEFLよりもIELTSが多数派になり、特にIELTS 7.5でクリアしている方がトップスクールで目立ちます。この理由は「リスニング」の扱いがTOEFLとIELTSがかなり違います。
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TOEFL:リスニングがListening/Speaking/Writing各セクションに含まれる
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IELTS:Speaking/Writingセクションはリスニングがほぼ不要
英語力はそれだけで合格になることはない出願項目、かつ英語コミュニケーションは面接やビデオ課題でも評価されているので、英語試験スコアは効率的に進めてクリアしたらそれで終わりです。
実際のところ、TOEFL100とIELTS7.0を比較すれば後者が簡単に感じる方が多いと思います(特に海外経験が少ない方にとってはリスニングの比率が低いのが楽です)。
同様にTOEFL7.5はTOEFL109よりも労力がかからない方が多いと思われます。
社費選抜の方は特に出願タイミングの締め切りがありますので、TOEFL/IELTSのスコアがGMATと同様に中途半端なまま志望校を選び入学しているケースが少なくないと思われます。社内選抜に合格する時点でTOEFL100とIELTS7.0程度を獲得しておくと安心です。
GMAT Learning beyond 700はMBAをはじめ海外大学院を目指す方を応援する学習サイトです。
GMAT学習歴、TOEFLスコア、社費・私費などを全て問いません。MBA出願やスコアメイクの一助となれば幸いです。
以下の各リンクよりGMATや英語学習についてご参照いただけます。
ちょっとしたコラムや当ページの補足説明になります。
過去のGMATセクションについて紹介しております。
Focus Edition以前の旧バージョンのGMATに基づいた内容を含みます
GMAT Focus Edition と 旧バージョンはスコアや形式が異なり、同じパーセンタイル・順位なら前者の方が40-50点くらい低いです。
645 (Focus Edition) = 700 (旧バージョン)
605 (Focus Edition) = 650 (旧バージョン)
がスコア換算の目安になりますので、受験体験記やビジネススクールのAdmissionsクラスプロフィールをチェックする際にご注意ください。